ドリーム小説












 towa11







とりあえずその人に言いたいことがあった。





「・・・・どこから突っ込みましょうか?猿飛先輩・・・。」

「んん〜、どこにも突っ込まないでいてくれると嬉しんだけどなぁ?」



橙の特徴的な髪色。

迷彩色のバンダナ。

___ここまでは普通であった。


その橙を際立たせるかのような真っ白い色の

      割烹着

さらに手には使い古された

      買い物籠

を持つ。

しかもその中には厳選されたであろう数々の品。

量は多いがそこまで値段が張るものではない食材類だ。



どこからどうみても主婦・・・否、主夫だ。

どこぞの井戸端会議に参加していても全く違和感はないだろう。

(髪色を除けば。)


の顔に浮かんでいたであろう曖昧な表情に彼、猿飛佐助は苦笑いをもらした。

ちゃんも買い物?」

「・・・ええ、まあ、はい・・・。」

話をさり気なく逸らされた気がしないでもないが、おとなしく頷く。

「お使い?」

微かな笑みを浮かべて聞かれたそれに、馬鹿にされたように感じ少しむっとしながら答える。

「1人暮らし、です。」

それに少し驚いたようだったが佐助はすぐに笑みを浮かべなおし再び尋ねる。

「そうなの?どこに住んでるの?」

「えと、ここからそんなに___・・・なんで教えないといけないんですか?」

素直に答えかけてはた、と気づいた。
その質問に答える必要はないと。




 『簡単に自分の情報をまわりに漏らしちゃ駄目だよ〜?』



一瞬にして浮かび上がった声。


それは一体何なのか、わからずには首を振った。

「え?教えてくれないの?・・・残念だなあ〜。」

ちっとも残念そうに見えないが佐助はそういって肩を落とす仕草をした。
それをじとりとした目で睨んでやれば、佐助は笑みを深めてに話を続けた。


「今日は何を買いに来たの?」

「・・・食材を。」

「そうなんだ?ちなみに仕送りかな?」

「・・・いえ、食費はバイト代です。」

「それじゃ、出来るだけ食費は安くしたいよねえ?」

「・・・そりゃ、まあ・・・。」

にこりと笑った顔はどこか裏を含んでいそうで。


「よかったら、俺様の知り合いで野菜たくさん育ててる人いるんだけど、もらえないか聞いてみてあげようか?」


___前言撤回。

その笑顔は菩薩のように見えました。

おもわずお母さんといいたくなったのは秘密だ。




「そのかわりに、新聞部入って欲しいな?」


、もう一度撤回します。

この人は菩薩の皮をかぶった、ただの人間でした。












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