ドリーム小説
towa 15
その夢はずっと昔から見ていた
俺様はその夢の登場人物。
いつも迷彩柄のへんてこな格好をしている。
そうして赤い男を主と呼ぶ。
その赤は団子が大好き好物。
(・・・団子が大好きとか、・・・旦那みたいじゃないか。)
いつもすごくにぎやかで、もう一人の大きな男といつも殴り愛(・・・?)をしていた。
迷彩の顔は(俺様がその人物の中に入っているが、俺様が浮かべているのではないのだ。)いつも人をからかうように笑んでいて、
その側にはいつもちいさな影があった。
その影は常にちょこちょこと迷彩の後についていて、なんだかすごく微笑ましかった。
たまにでてくる金髪の女性は、つんつんとして、たまにでれる。
なんと言うか誰かを髣髴させる。
主によくけんかを吹っかけてくる眼帯やろう。
とりあえず鬱陶しい。
こいつも誰かに似ている。
ふらりと現れる派手な巨体はいつも猿を連れていて、嵐のようにやってきては嵐のように去っていく。
それらの夢は曖昧なくせにとてもリアルで、
見るたびに胸の奥が揺さぶられる。
その登場人物たちはあまりにも知っているように感じて、
記憶がおかしくなる。
一番頻繁に見る夢は
暗い闇にあの子が落ちていくもので。
赤が広がって、それに迷彩と赤が駆け寄って。
その手をとって__
「 長 」
そうして起きる直前にいつも名前と思われし単語を呼ばれる。
「っつ・・・・」
夢の後はいつも激しい耳鳴りと酷い頭痛。
それはその夢を見たということ。
だがその夢は起きたとたんに記憶から流れ落ちる。
代償には全くもってあわない。
こんなに頻繁になったのは最近のこと。
あの子、に出会った日から。
ああ、どうかしてる。
名前を聞いたとき、どうしようもなく嬉しくなったとか
昨日見た涙が頭から離れないこととか
あの暖かい体が懐かしいと、いとおしいと思ったこととか
なにより夢の人物とあの子を重ねるなんて。
本当に、
「どうかしてる・・・」
ぽつり零れた言葉は誰に拾われることも無いまま、床に落ちていった。
頭は思い出せと指令を出す。
でも心は思い出すなと悲鳴を上げるのだ。
これは夢だと何度も自分に言い聞かす。
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