ドリーム小説
towa 16
雰囲気のいい店内に流れるのはクラシック。
柔らかな空間。
店長は穏やかで優しく見目も麗しい。
制服はいわくメイド服というものであるが、そんなに露出は多くなく。
中世のヨーロッパの給仕服を思わせる。
そこがのバイト先。
「マスター?」
「なんですか?さん。」
「今日は珍しくお客さんこないですね?」
「そうですねえ。今日は駅の向こう側で祭りがあるのでそのせいでしょう。」
カウンター席に座りべったりと上半身を机につける。
そのままグラスを拭くマスターこと綱元さんをじっと見つめる。
男にしては長い黒髪は後ろで一つに束ねられ、ゆったりと後ろに流されている。
糸目はやんわりとした印象を与えるが、実はこの人めっぽう強かったりする。
初めてであったのはが引っ越してきたときだった。
人生で初めてかつあげと呼ばれるらしいものに遭遇し、驚きで動けなかった、をヒーローのように現れ救い出してくれたのだった。
(実はそこが店の前でお客さんが入ってこれないからという理由で助けてくれたと知ったのはバイトを始めた後だった。)
そのとき落ち着くようにとつれて入ってくれたのがこのお店で、この店の雰囲気とマスターに惚れて(人間として)バイトを始めたのだった。
からん
扉につけてある鐘が誰かの来店を告げる。
「いらっしゃいませ。」
「い、いらっしゃいませ!」
慌てて体をおこし身なりを整える。
席に案内するために営業用のスマイルを貼り付け、お客に目をやる。
が、
「なんめいさ、ま、・・・」
その顔を見た瞬間頭がフリーズした。
「7人、だ。」
なんていうかもう帰っていい?
心のそこからそんな思いがこみ上げてきた。
そこに居たのは日輪を崇め奉る生徒会長様に
儚げな美女
どことなくがさつな印象を思わせる片目眼帯の男
まさかの右目眼帯の男。
そして
「そんなとこでとまっちゃ邪魔だよ〜旦那方。」
「さりげなく方に手を回すなこの変態が」
「ちょ、ひどいっ、俺様傷ついっちゃったよ!?慰めてよ!」
金髪美少女
橙の頭が印象的な迷彩バンダナ
その後ろからおろおろと赤髪の青年。
「あれ?もしかして、ちゃん?」
何でこんなにもこの人たちとの遭遇率が高いんだろうか。
ふわり微笑むその顔から思わず目線を外す。
と、そちらにいたのは右目眼帯。
目が合った瞬間にやり微笑んだそれにも速攻で視線を外す。
その先にはにとって唯一の癒しである小太郎がいて。
隠れた目でふわり優しく笑む雰囲気にこちらまで癒されて。
「7名様ですね?ご案内いたします。」
そう言ってメニューを持って席へと案内した。
お水を取りに行こうとカウンターのほうへ動こうとすれば小太郎がぽんぽんと優しく頭をなでてくれて。
思わずうれしくて微笑んだ。
ら、
「あ〜!ちゃんずるい!俺様には笑ってくれないくせに!」
「そうだぜHoney!俺にもそのcuteな笑みを見せろよ。」
それらをまるっきり無視をしてカウンターに向かう。
そこでは綱元がくすくすと笑いながらコーヒーの準備をしていた。
「・・・なんで笑ってるんですか、マスター。」
「いえ、さんは政宗さまたちと同じ学校だったのかと思いましてね」
一瞬頭がフリーズした。
「政宗、さま・・・?」
「はい。伊達政宗さまです。」
「・・・一体どういう関係なんですか?いえ、いいです聞きたくないです。」
自分で質問をしながらもその答えを聞くのが怖くて目線をそらした。
「綱元さ〜んコーヒー3と紅茶3、コーラ1お願いしま〜す」
響く声は佐助のもの。
それに綱元が笑って返事した。
「・・・というか、どういう組み合わせなんですかね、あれ。」
「委員会だって聞いているよ?」
「委員会?」
「皆生徒会に所属してるんだ。」
「わ!かすが先輩。」
疑問に思っていれば後ろから金色の髪をなびかせたかすがが現れて。
「持っていくの大変だろう。私も手伝おう。」
そう言ってとても奇麗に笑った。
その女子をも抹殺するほどの威力を秘めた笑みには一瞬見とれる。
「っお、お客様にそんなことさせられませんよ!」
あわててそういえば、くすり笑われて。
「は私にとって可愛い後輩の一人だからな。そんなさみしいこと言わないでくれないか?」
そんなこと言われてしまえば反対できるわけもなく。
「ありがとう、ございます。」
紅い顔でそういうしかできなかった。
「綱元。」
「なんでしょうか?」
「今忙しいのか?」
「いえ、今日はそんなに、ですね。」
「、借りていーか?」
「どうぞ。」
そんな会話がなされたと同時にがばりと後ろから抱きつかれた。
「っ!?」
「ぐっ!」
驚きよりも先に体が動いて、思わず抱きついてきたその男、政宗のみぞおちらへんをおもいっきり肘でたたき込んでしまった。
「わー!ごめんなさいっ!」
そこまできれいに入ると思っていなかったのもあって崩れ落ちるその様子に驚いて悲鳴をあげれば、座っていたはずのほかの人たちまでこちらにやってきて。
「さすがちゃんだねえ、独眼竜の旦那を一発で仕留めるなんて。」
「っ、仕留めてませんっ!」
「すげえなあ、嬢ちゃん!政宗のやつこんな簡単に殺れるなんて!」
「殺してませんっ!」
話を聞いてくれない佐助たちに、起き上がらない政宗にあわあわとてんぱっていれば横から救いの手が現れた。
「お前たち。あまりにちょっかい出すなら私は帰るぞ。」
「市も・・・。」
それは彼らにとって大変な言葉だったのか今度は彼らがあわあわとしだして。
「そんなことしたら男ばっかのむさくるしい集団になるからやめてよ!」
それに二人の美女はため息をついて。
「ならばさっさと話を進めんか。時間がもったいない。」
「・・・市早く帰りたい。」
仕方がなさそうに席に戻って行った男たちを見て二人の美女には尊敬のまなざしを向けた。
「すごいです、ありがとうございます!」
それにかすがは気にするなと微笑んで。
もう一人のはかなげな女性はふわり美しく笑った。
「私は市。織田市。あなたは・・・?」
「わ、私はです!よろしくお願いします、織田先輩!」
「ふふっ、市、でいいわ。」
「っ、市せんぱい・・・」
「ええ。こちらこそ、よろしくね?」
さらり流れる黒髪をそのままに席に戻って行った市はとてつもなくきれいだった。
「そういえば真田はいないのか?」
「あの人今日は一段と大将と盛り上がってたから放ってきた。」
「あの帰り際のうるさい声はそれか。」
真田
大将
その言葉を聞いた時、つきり胸が痛んだ。
(・・・なんだ?)
最近多い原因不明の痛み。
医者にでも行くべきなのかと思いながら、新しく来たお客さんに笑顔を向けた。
※※
ごめんなさい。
綱元さんだしたのは出来心です。
政宗連載のほうでのオリジナルキャラでした。
また設定のほうにも載せておきます。
コーヒー 佐助、政宗、小太郎
紅茶 元就、かすが、市
コーラ 元親
個人的イメージです。
他の人とも絡ませようとして断念。
ええと、みんなそれぞれ部活に入っていてでも委員会にも所属です。
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