ドリーム小説
towa 18
屋根の上。
一面に広がる空。
この場所もいずれ戦場になるのだろうか。
そう思えばつきり胸が痛む。
ふわりのぞきこまれる。
そういえばこの人と共にこの場所にいたのだと思いだしあわてて笑みを作る。
「・・・・・・」
「どうしたんですか?小太郎さん?」
こてり頭を傾げてこちらを見てくる彼。
小鳥たちが彼の周りに集まる。
体中にとまるそれらをそのままにこちらに手をす小太郎。
一瞬びくりと体が震えてしまう。
それに一度ためらうように手を引っ込めてそして今度はそっと頭に手を添えられて。
ぽすりと微かな音を立てながら優しく撫でられる。
「 」
_だいじょうぶだよ_
声なき声。
でもそれは優しくの心に沁み込んで。
ぽろり
それに無意識ともいえる涙がこぼれて。
そっとその胸に引き寄せられてぬくもりを体中に感じる。
_だいじょうぶだよ。たとえこのばしょがせんじょうになってもあの人たちはいきてる。ぼくはいきてる。きみはいきてる_
思っていたことを優しく擁護するそれにただただ涙が止まらなくて。
お願いです。
この場所を奪わないでください。
あたしにとってとてもとても大切な場所なのです。
びくり
体が何かに反応するようにがばりと起き上がる。
そのまま自分に向かっていた手を思い切りひねりあげれば、その何かは絶叫を上げ出して。
「いっ、っ?!」
「・・・あれ?」
「ちょ、ちゃんっ、マジでいたい、から!」
息も絶え絶えに告げられた言葉。
橙色が目の前で揺れていて。
その向こうでは赤色がおろおろとこちらを見守っていて。
「・・・小太郎先輩?」
「いや、俺の方先に気づいてよ!?」
「・・・へ?・・・わ!猿飛先輩!?」
その声でようやった今がたたきつけているのが佐助だと認識する。
「痛かった・・・」
「なんで私の下にいるんですか!」
「ちゃんがしたんだからね!?」
ようやっと離した手に息を吹きかけてる佐助を無視しながら小太郎のもとへと向かう。
「ええと・・・」
_良く寝てたから起こせなかったんだ。
でももうお昼だから、って考えてたら佐助が来た。_
現状把握ができていなかったににこにこ笑みを浮かべて小太郎は言う。
そうしてごそごそと傍にあったかばんからお弁当を取り出す。
そこにようやっと復活したのか佐助も寄ってきて。
「あー痛かった。さて、お昼にしましょうか?」
先ほどまでのことはなかったかのように嬉しそうにお弁当箱を広げた。
「ほら、ちゃんも!」
そう言って何時の間にやら出された自分のお弁当箱の目の前に座らされたのだった。
見上げた空は何処までも青く蒼く。
※※※
屋上。
そろそろ記憶と現実が混合しだした頃
佐助とこたはよくいっしょにごはんたべる
あきはは部活の集まりで不在。
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