ドリーム小説












 towa-2



(・・・すごい学校だった・・・。)

部活に向かうあきはと別れ、靴箱に向かう
思い出すは今日のこと。
印象深い校長先生。
(是非も無しって、何・・・?)
おかしな生徒会長。
(日輪を崇め奉れって、どこの宗教・・・?)

(なんだか一年分の気力を使い果たした感じがする。)
これからここに3年間通うのかと思うと、なんともいえない気分になる。
(でも、あきはに出会えたのはよかった・・・。)
頭に浮かぶは今日友達になったばかりの少女。
特徴的な金色の髪。
ころころと表情が豊かで、笑顔がとても似合う子。
女の子らしい女の子。
(あたしとは正反対の子。)
身長170のに対しあきはは160あるかないかだろう。
兄の影響でざっくばらんなしゃべり方。
彼女はちゃんとした女の子の言葉遣い。
ふわりと笑うそれはまるで砂糖菓子のように甘く。

でも、それらに不快感を感じないのは彼女の人柄のせいか。

履き替えた靴のつま先をとんとんと地面に打ち付ける。
(・・・さてバイト行くか。)
ぐっと背伸びをし体を伸ばす。
バイト先はここから歩いて約30分ほど。
自宅からは約15分くらいのところ。
個人でやっている喫茶店だ。
かわいい外観に思わず惹かれたのだ。

距離がある門までの道。
桜並木の下。
薄紅色のじゅうたんの上を歩く。

5分ほどかかって見えてきた門。
たどり着けたことにいささかほっとしながらは歩く。

と、
「うわっ・・・。」
強い風が吹いた。

視界が薄紅に染まる。



  「すごい風だねぇ」



思わず目を閉じたの耳に聞こえてきた声。

    どくん
  
    その声が

    言葉が

    話し方が

     耳に

     心に

     頭に

  何かを訴えかける

  

  
  あ た し は こ の ひ と を




音が消える。

一瞬の静寂。

 目 が 合 う

頭の中に浮かぶは知らない映像。

     橙色の髪

    緑色のペイント

     迷彩色の服

( あ な た は だ れ )

「新入生?」

その声に呪縛から解き放たれたように意識を戻す。

夕日色の髪をもつその人はにこやかに笑って問う。
     
「は、い」

掠れた声で答えたにさらに笑う。

「そっか。俺様は佐助。猿飛佐助。3年だよ。よろしくね〜。」

 さ る と び さ す け 

聞いたことのないはずの名前。
けれど確かに、胸に刻まれていて。

「さるとび さすけ・・・。」
にこにこと笑うその人は。

 あ た し は こ の ひ と を
     
              し っ て い る ?

頭を占めるは先ほどの映像。
知っているようで知らない。知らないけれど知っている。
それは、まるで___

と、その時時刻を告げる鐘が鳴った。
思考が止まる。
その音に慌てて時刻を確認したはさぁっと顔色を変えた。

「きみの「やばいっ、遅刻!さようなら、っぇと猿飛先輩っ!」・・・」

何かを言おうとした佐助の言葉を遮り、はそれだけ言うと駆けて行った。

「・・・名前も聞いてないんだけどねぇ・・・。」

そんな言葉を背中で聞き流しながら。


  (あーもー、解らないことは後で考える!今は取り合えずバイトだ!)






  それは輪廻を超えての出会い 魂の邂逅 記憶のかけら 


     二度と交わることのなかったそれらが出会うは偶然か、それとも______
















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