ドリーム小説











   towa3


あかいあかい

ひらひらと

ゆれるゆれる

ゆらゆらと


微かな光は柔らかくあたしと言う存在を包み込む。



光に誘われ目を覚ます。
そこは見慣れた天井で。
ゆっくりと伸びをし体を起こすと時計を確認する。

時刻は6時20分。
ここから学校までは歩いて45分ほど。
今日からは自転車で行くつもりなので、30分もかからないだろう。
つまりまだまだ余裕を持てる時間。


「んんっ〜。」
ぐっと体を伸ばす。
(・・・なんか夢を見てた気がする・・・。)
そんなことを思いながら昨日から着だしたばかりの制服に袖を通す。
着慣れないそれらに多少まごつきながらも着終えると姿見の前に立つ。

(・・・似合わない・・・。)
婆娑羅学園の制服はとても可愛いのだが如何せんには可愛すぎるのだ。

(こういうのはあきはみたいな可愛い子が着るべきだ。)

昨日できたばかりの友人を脳裏に思い浮かべながら身だしなみを整える。



はここで1人暮らしをしている。
といってもたいした理由でもなく実家から通うには遠すぎる学校だったと言うだけである。
なにせ実家から婆娑羅学園に通うとなると、片道2時間はくだらないのだ。
がこの学校を選んだ理由は特に無い。
強いて言うならの成績で行ける学校にこの学園が射程範囲内だったこと。
それくらいである。



簡単な朝ごはんを食べお弁当を用意しては家をでた。

時刻は7時40分。
授業の開始は8時40分であるから余裕でつける時間だ。


道すがら桜並木に目を奪われる。
優しいその色は柔らかな光に照らされて。

ふわり

微かに浮上する記憶。


 あかいひとと

  みどりのひとが

    わらってる


遠くて遠くて顔は見えない。

だもそこにはもう1人、だれかが・・・。


ざあと風が吹くと同時に思考は打ち切られ、再びそれらは闇に沈む。
(・・・なんだ、今の・・・?)
消えた思考は戻らずに。
仕方なくそれらを求めるのを止めおとなしく学校に向かった。



学校につき自転車を止める。

「おやかたさまあぁぁぁぁぁぁ・・・・。」

自転車置き場から見える運動場。
そこから聞こえてきた声に少し驚きそちらを向く。
そこには朝練の最中なのか走っている人たちの姿。
微かに見えるボールでサッカー部なのがわかった。
先ほどの声はその中の誰かであろう。
この位置からは見えない。
ただ赤い鉢巻が目に入る。


その赤がなぜか記憶に残った。



あかいあかい

ひらひらと

ゆれるゆれる

ゆらゆらと













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