ドリーム小説









towa 21










「Hey!Honey!生徒会に入ったんだってな。」

移動教室。

あきはと廊下を歩いていればかけられた声、まわされた腕。

デジャブと同時に反射のごとく彼の腹に肘をたたき込んだ。

が、

「何度も食らうわけがないだろう?本当には恥ずかしがり屋さんだな!」

にやり笑う顔に廊下を歩んでいた幾人かの女生徒が黄色い悲鳴を上げた。

「政宗先輩、に近づかないでもらえますか?」

ふわり素敵な笑みを浮かべてあきはは言う。

それに負けじと妖艶な笑みを浮かべ政宗は対抗して。

確かにはあの後生徒会に入ったのだ。

元就の陰謀という名のお願いに負けて。

だが、まだそのことについてはあきはにしか話していない。

が、まあ政宗も生徒会委員の一人だから誰かから聞いたのだろうと結論づける。

のかわりに言い合いをしてくれているあきはをそのままにぼおっと最近続いてる頭痛のことを考える。

時折ひどく傷むのだ。

以前医者に行ったが異常はないとのことで、痛み止めだけもらって帰ったきた。

でもそれからも痛みは止むことなく続いていて。



ふらり



目の端で何か橙色のものが揺れた気がして、そっと目を向けた。















気づいたら、目で追ってるんだあの姿を。

いないところでは探してしまってるんだ、あの背中を。

原因なんてわからない。

彼女のどこがとどうとかそういうことでもない。

ただ、気づいたら彼女を求めるように目がさまよってる。



懐かしいような

悲しいような

いとおしいような

やりきれないような



どうしようもない気持ちで支配される。

彼女の姿を見るとすごく安心する自分がいた。


こんなの俺様らしくなどないというのに。








『佐助はそのもののことが大切なのだな。その姿が見えないと一時も安心できないくらい不安なんだろう?
それがどういう気持のものなのか、某にはわからないが一つ言えることがある。

それはお前はそのものを大切にするべきだということだ。』






ぽろりと旦那の前で漏らしてしまった弱音。

それに旦那はあっさりと答えて。




ことり

胸の中で何かが変わった気がした。

























。」

「・・・・・・」

「ふむ。何も答えぬつもりか?」

「あんたに話すことなんか何もないです。」

そういえば松永久秀はからり、笑って。

「ふははっ、そういうな。私はお前がほしい。そう言ったであろう?」

「信じられましょうか。簡単に人を裏切る、あなたなどの言葉を。」

偵察の最中に出会った久秀はの顔を見て、そうして言ったのだ。

「お前がほしい」

と。

その言葉の真意など知らない。

知りたくもない。

だからこそ、この男には近づかぬようにしてきたのに。

捕まってしまった。

それは小太郎が北条を人質に取られてしまった時。

その際に小太郎によって連れてこられてしまったのだ。

その時の小太郎の本当に申し訳なさそうな顔が忘れられなくて、は強く動くことができないでいた。

(主や長の荷物になるくらいなら、いっそ___)

頭に浮かぶそれを実行しようにも、常に久秀が見張っている状態ではそれもできなくて。


彼らの重荷になってしまった。

心やさしき主は私を探すのだろ。

その主に忠実な彼は、どうするのだろう。

頭に浮かぶ最悪を何度も打ち消して。

そうしながらはこの男のそばにいた。



っ!」


そんな言葉が聞こえてきたことに心の底から喜びを感じながら。











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