ドリーム小説
towa 22
「ちゃん」
バイトの時間。
いつも道理の接客をしていれば呼ばれた名前。
見ればそこには橙色。
交る交る
夢と現が
交る交る。
がたん、微かに揺れたからだが机にぶつかって。
痛む頭を押さえて心配してくれる綱元に笑った。
向かった彼の席。
大丈夫?なんて心配する声に営業スマイルを返して。
「つれないなあ、相変わらず。」
苦笑をした彼はかばんからチラシを取り出して言った。
「今日よかったら帰り一緒に買い物行かない?」
タイムサービス、いいとこ見つけたんだ。
すぐさまうなずけばふわり笑う彼。
その笑みがどうしようもなくどうしようもなく____
平和だと感じた。
「ちゃん。」
「・・・あきは。」
「何その顔?また私なんかと一緒にいて・・・って顔してる。」
あきはとんよでいたその人は可愛い女性で。
ふわり微笑めば皆の目を引き付ける。
女性が苦手な主があたしのほかに唯一まともに話せる女性。
女中として働いている彼女はあたしと同い年で。
だからこそ親近感を持って接してくれた。
でも、あたしはやっぱり忍びで。
だからこそ彼女と付き合うのにいい顔をしない人も多くて。
それなのに彼女はそんな声を気にも留めずあたしを望んでくれた。
「私はちゃんと一緒にいたいからいるのよ。」
そう言われたとき、どんなに私がうれしかったか、彼女は知らないと思う。
「ふふ、ちゃん、大好きよ!」
「ちゃん!ちゃん!」
「・・・あき、は・・・?」
「そうだよ?どうかした?寝ぼけてるの?」
おかしなちゃんとくすくすと笑う姿。
「昨日もらったクッキーおいしかったの!また作ってほしいな?」
だめ?と上目づかいの彼女はとてもかわいくて。
しかたがないなあ、とつぶやけば満面の笑みで。
「ふふ、ちゃん、大好き!」
デジャブ
頭が混乱する。
さっきまで一緒に笑っていたのは、誰?
そもそも、あたしはさっきまで、何をしていた?
「笑って?。」
「そうだぞ、。そなたが笑えば某たちも笑うことができる。某たちも、笑える。」
「おぬしは大切な某たちの___」
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