ドリーム小説










towa 25









「たしか、め、な、きゃ・・・」



思ったのはそんなこと。

橙の髪。

紅の青年。


そこにいたのは、あたし・・・?




悲鳴を上げそうなくらいに痛むからだ

まるで思い出せとでも言うようにひどい頭痛。









動かぬ体に鞭打って向かった先は学校。















紅が

 ゆれるゆれる

ゆらゆらと

      風にあおられ

風に遊ばれ

  

   ゆらゆらと




自由であるが故の不自由は___









すれ違った赤。

それは風に揺れて。

通り過ぎる際に感じた懐かしさ。

それは形になる前に

消えて。


どくん


心臓が一度大きくなったかと思えば、次の瞬間景色が流れるように変わりだす。

否、無意識に、本能に従うかのように、自身が走り出していた。

赤を

追いかけて

赤を

探して






心のそこの何かがを付き動かす。

胸が熱い。

炎がともっているかのように。


走れ走れ走れ


指令が下される。




おいかけなきゃ


痛みなど感じていられない

大丈夫

痛みのこらえ方ならよく知っている



まって、まって、まって


どうしてそんなことを思うのかもわからないまま

必死で走る



まってまってまって!



追いかける追いかける




一つ二つ

階段をとび越えてなかなかちぢまらない距離に涙が出そうになった。







っ、まって!








階段の踊り場微かに先。

曲がっていく赤。





みつけた





息切れなど気にもならない。

ただ追いつくためだけに。
一段飛ばしで階段を駆け上がり、踊り場でくるりと手すりを軸にしてまわる。

そうして見えた、目の前の赤に




ただ、

       もう



必死に手をのばして







それを掴んだ。





















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