ドリーム小説
towa 27
振り向き、驚く顔。
その顔を見た瞬間あふれ出したたくさんの感情。
『記憶』たち。
大好きで大切で守るべき御方
無意識に本当にただぽとりと言葉が漏れた。
「あ、るじ、ゆきむ、らさ、ま」
それに大きく見開かれた目
それはまるで優しい幻聴のように
一瞬で消え去ったその声。
それにはっと正気にもどる
「っ、ごめんな、さっ、」
ぼろぼろこぼれだした涙に自分が一番驚き、目の前の彼をそのままに、すぐさま今走ってきた道を駆け戻る。
「、っ!?」
そんな声が聞こえたのも、階段を下りたところで橙色と擦れちがったのも、全部全部溢れた記憶が知っていた。
ああ、ああ、
どうして忘れていたのですか
どうして忘れていられたのですか
あたしがあたしであることはあの人たちと共にいたということの最大級の証拠だというのに
どうして、忘れていられたの?
大切な守るべき御方
大切な主
あたしのことを受け入れてくださった方
大切な大切な長
大好きな人
あたしにいろんなことを教えてくださった方
どうして忘れて入れたのでしょう
どうして忘れていたことすら忘れていのでしょう
自分がふがいなくて、むかついて、もう嫌で嫌でたまらなくなる
会えたことが心のそこからうれしいのに、
あたしの最後を知っている彼らがひどく怖くなる
会えてうれしいと笑って告げたいのに、彼らを見ればもう言葉も出ない
覚えていたのは体
だって、知らないうちから探してた。
わからないのに追いかけてた
忘れていたのは記憶
だってあんなにも近くにいたのに気付かなかった
あんなにも大好きな人だったのに気付けなかった
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