ドリーム小説
towa-4
今日は入学したばかりだからか、午前中だけの授業だ。
そのうえどの科目も説明で終わっていた。
昨日も思ったとおり、この学校は否、この学校の人達は大変個性的だ。
たとえばすべてひらがなで黒板に書く先生がいたり。(とてつもなく見ずらい。)
たとえば頭に赤いもふもふとした何かをかぶった人がいたり。(そのせいで黒板が全く見えない。)
たとえば「愛ハ世界ヲ救ウノデース」と叫んでばかりの英語の先生がいたり。(英語しゃべろーよ。英語。)
ここまでだといっそ清清しい。
しかもこれらにあまり驚きを見せないクラスメイトにいろんな意味で尊敬する。
あきはに言えば
「そう言えば、知らなかったんだよね?私はもう慣れてるよ。大丈夫!なれちゃえばおもしろいから。」
と返されて。
ホームルームがおわり北条先生が相変わらずよぼよぼとした足取りで出て行くのを見る。
すぐさまあきはが来て。
「ささ、、これから部活いこ!」
そう笑顔で言われれば断ることもできなくて。(もともと断る気は無かったが。)
「ああ。」
その手に引っ張られるようにしてあきはの後を付いていった。
つれてこられた体育館。
そこにはすでに幾人かの生徒が部活の準備を始めていて。
「。私着替えてくるからそこのベンチ座ってて?」
「ん。いってらっしゃい。」
にぱりとした可愛い笑みを見送るとは示されたベンチに座る。
かばんを置きふう、と息を吐き出して体育館を見回す。
体育館は二つに分かれていて、向こう側では卓球部らしきものが活動している。
と一際目を引く存在が。
金髪美女。
ダイナマイトボディ。
それらの言葉が当てはまる人。
どことなくあきはと似た雰囲気を持っているようにも感じて。
ほう、と思わず息を吐く。
と同じく背が高いそれはしかし、彼女の魅力を引き出す一つで、金色に輝く髪は光を受けきらきらと舞う。
身にまとうぴったりとした服は曰くレオタードというものか。
じっと見ていればぱちり、と目があった。
きょとんとしたその人は一拍後こちらへと向かってきて。
「お前今、あきはに連れられてきたか?」
「あ、はい。」
そう答えたに彼女はとても綺麗に笑った。
「そうか。私はあきはの姉で、この新体操部のキャプテンをしている、越後かすがだ。よろしく頼むな。」
その笑顔に声にうっかりときめきそうになりながらも答えようと口を開いた。
と、
「かすが〜。」
気が抜けたような声が聞こえてきた。
(・・・なんだか聞いたことのあるような・・・?)
「何故貴様がここにいる!!」
その声が聞こえてきた方向を向くとかすがは叫んだ。
「やだな〜かすが、俺様とかすがの仲じゃないの。照れなくてもいいじゃん。」
「さっさと消えろ。」
「て、つめたっ、冷たいよ!?かすが?!」
が視線を向けた先には、どこかで、と言うか昨日見たばかりの橙色の髪をもつ男性がいた。
「これ上杉先生に渡しといてくれない?」
「っ、・・・お前のためじゃないからな、これは謙信様の為だからな!」
かすがは佐助が持っていた紙をひったくってそう並び立てた。
(確か名前は・・・)
「猿飛、先輩・・・?」
ぽつり言葉を呟けば、こちらに向いた二対の目。
「・・・あれ?」
佐助はこちらに気づくと声を掛けてきた。
「君、昨日の子だよね?新体操部に入るの?」
「・・・ああ。いえ、あたしは・・・「猿飛っ!お前まさか、もう1年生に手を出したのか?!」
「んなっ、人聞きが悪いっ!!
今度はかすがの声に遮られる。
再び始まった二人の言い合いをぼおとしたままながめる。
(・・・仲、いいんだ・・・。)
ふと浮かんだそんな考えに違和感を感じて微かに首を傾げる。
「おまたせ、!」
「ああ。あきは。」
ぱたぱたと聞こえたその足音の持ち主を見る。
かすがと同じレオタードに身を包むその姿はとても、
「・・・かわいい。」
ぽつりと呟いた言葉が聞こえたのだろう。
彼女は顔を真っ赤にしながらはにかんで答えた。
「ありがとっ!」
その姿はやはり
(かわいい。)
赤くなった顔を手で仰ぎながら彼女は辺りを見渡した。
「あれ、佐助?何でここに来てるの?」
− 佐 助 −
つくん
胸の奥に感じる微かな違和感。
(・・・?)
すぐに消えたそれに気のせいだと思い直しあきはに尋ねる。
「知ってる人?」
「うん。知ってる人だよ。幼馴染なの。」
「・・・そうか。」
「・・・?どうかしたの?」
「ん?どうもしてないよ、あきは。」
もう一度二人の方を見直せば相変わらず言い合いを続ける二人。
といっても一方的にかすがが佐助に噛み付いてるだけのような気もするが。
「話しかけてくるな!」
−私に話しかけるな!−
「そんなこと言わないでさあ・・・。」
−そんなこと言わないでよかすがちゃん・・・−
「見るだけで虫唾が走るっ!」
−お前を見ると虫唾が走るっ!−
脳裏に響く知らない声。
覚えのないそれ。
それが目の前のものと一致して聞こえて。
体が震えた。
「・・・ほんとにどうかしたの?。」
あきはの心配げな声。
その声になぜか心が落ち着いて。
心配ない、そう告げようとしたの目にたった今体育館の中に入ってきた人物が移り込む。
「わるい、あきは、用事できた。」
早口でそう告げベンチから立ち上がるとすぐさまその場を後にする。
・・・否、しようとした。
あの声が聞こえるまでは。
「探していたのだよ。君。」
それは体育館に大きく響いた。
※※※※
管理人はこの人がお好きなようです。
自分でもびっくりです。
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