ドリーム小説











towa6







結局そのままは捕まり科学準備室に連れて行かれた。
閉じられたその部屋で始めに口を開いたのは久秀だった。

「さて、。話を聞こうか。」

その言葉に、は顔をしかめた。

「私には話すことなんてないですけど、おじさん。」

「「おじさん!?」」

の言葉についてきていた佐助ともう1人の男の人(名前聞きそびれた)は驚いた声を出した。

「母の兄の義弟、です。」

二人に少し説明をし、は続ける。


「そもそも、此処につれてきたのはあなたじゃないですか。私はあなたに用、ありません。」

「何故この学園にきたことを私に言わなかったのだ?」

「あなたが教師だったなんて知りませんでしたから。」

。私は以前君に話したはずだが?」

「そんなの知りません。大体聞いた覚えがありません。」

むすりとした視線を受け久秀は溜息をついた。
その後久秀は再び口を開いた。

「数日前に家を訪ねれば、そこにははいない。聞けば、1人暮らしをしているという。」

「・・・。」

「さらに聞けば婆娑羅学園と聞くではないか。」

「・・・。」

「入学したら言ってくるだろうと思えば姿を見せることもない。そのうえ逃げ出す始末。」

「さて、何か言うことは?。」

「あなたによく教師なんてできましたね。」

「言うに事欠いてそれかね?」

あきれたような声色。


「というよりも何でよりにもよってここで働いてるんですか?」

「ここに居てはいけなかったのかね?」
言葉に含まれた微かな呆れにはさらに顔をしかめた。


がこの学校に来た理由のなかに微かにあった理由。
母たちには全く話していないこと。
それはこの、この人に会いたくなかったから、だった。

「ふむ。まあいいだろう。幸いなことに私は君のクラスを担当してもいるのでね。」
それには固まった。



こんこん

「松永先生。」
ドアのノックと共に聞こえてきたそんな声。
それに久秀は時計を一瞥してドアへと声を掛けた。
「すぐに向かう。先に行っておきなさい。」
ドアの向こうから了承の声が聞こえると久秀はのほうへと向き直った。

「さて。私はこれから用事があるのでね。君に対する用は終わった。さっさと帰りなさい。」


自分からつれてきたくせに、容赦なく達を外へと押し出す。
ぐいぐいと押されるそれに抵抗する気もおきなくて、それに任せたままにする。



「何かあったら言いなさい。」


先に出た二人には聞こえないほどの小さな声。
それは耳元で聞こえて。

同時にするりと一度だけ撫でられた頭。
微かに移った温もりに手を当てて振り向けばもう扉は閉じられていて。

(そんなことするから・・・。)

1人で暮らすのはやっぱり不安なことも多くて、どうしようもなく寂しくなるときもあったりして。

いつもは意地悪ばかりだがふとしたときに垣間見える優しさ。
だからは久秀を苦手なのに嫌いになれないのだった。





















※※※※
彼の本当の目的は最後の一言だけだったりします。











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