ドリーム小説



恋というには幼いそれは 3










怒涛の席替えの次の日。

授業が始まる瞬間、というよりも朝のホームルームの時間。

「おはようさん」

教室に入り席に座り授業の準備をしていたの前に現れたのは一人の男。

その男は楽しそうに口元を緩ませて挨拶をしてきた。

同じクラスになってこのかた一度も話したことのないその男は、そのままの後ろの席にかばんを置く。

「・・・へ?」

ぴしりと固まったを愉しげに眺めながら、頼んでもいないのに言葉を放つ。



「最近目が悪くなってきてのう、後ろの席じゃ見えづらいからこの席と代わってもろうたんや。」



きらり、銀色の髪が太陽の光を浴びて鮮やかに輝く。

口元のほくろが何とも言えない艶やかさを醸し出す。

この男本当に高校生か。

そんな現実逃避をしながら昨日の彼の席を見れば確かにそこには昨日の後ろに存在していた男が移動していて。

「これからよろしゅうに。」


にっこり、周りの女子生徒たちが上げた感嘆の声。

だが、にとってその声はただの悪魔の声のように聞こえた。



































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