ドリーム小説







恋というには幼いそれは 4















『たまには家に来い。母さんが会いたがってる。』



本文だけの短いメール。

ちかちかと受信を知らせるメールをみればたったそれだけ。

しかも逢いたがってるのは自分ではないと主張するような書き方。

不器用な幼馴染の姿が脳裏に浮かんで小さく笑う。

と、

「なんじゃ?えらく面白そうやのう。誰とメールしとるん?」

ひょい、目の前が暗くなったかと思えば目に入る銀色。

覗き込むようにを見てくる仁王に思わず椅子に座っていたというのに後ずさる。

「逃げなさんな。」

何処となくむっとした表情を醸し出した仁王はの机に腕をのせてその上に顔をつける。

先ほどまでの上から視線とは違い、下からの視線。

上目づかいともいえるそれは、男である仁王がやっても気持ち悪いだけだ、と思いたかったのに。


・・・なんか、可愛い。


不意に思ってしまったそれに、なぜかすごく負けた気分になる。


「聞いちょるん?」


何も答えないにしびれを切らしたかのように首をこてりと傾げる。


様になるその姿にときめくというよりなんか、こう、いらりとする。


「誰とメールしちょるん?」


再び聞かれたそれにため息。

「・・・幼馴染。」

答える義理はないと思いながらもがん見されるのにいい加減つかれてきたのでそう返事をする。

「・・・彼氏と違うんか。」

ぼそり、つぶやかれた言葉。

「・・・へ?なんか言った?」

聞き取れずに聞き返せばにこり

謎の笑みを返される。

「何もなか。」

立ち上がり、席に、といっても後ろだが、戻る仁王。

どことなく機嫌がよさそうなそれに、疑問。

すれ違うその瞬間、くしゃり、なぜか頭を撫でられて、動揺。


「なにしよるっ?!」


驚いて、頭に手をやって振り返れば、なんだかすごく機嫌がよさそうな仁王。

その笑みを見たらなんだか問い詰めるのも面倒になってため息。


ちらり、目線を向けた友人はなんか、よくわからないけれど、机に突っ伏して肩を震わせていた。



























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