ドリーム小説
恋というには幼いそれは 5
「、ご飯。」
昼休み。
友人の元にお弁当を持って近づいていけば当然とばかりに出された手。
仲の良いこの子はちょいといろいろあって一人暮らし。
そんな彼女にお弁当を作っていくのはの日課の一部だ。
「はい。今日は昨日の五目御飯つめたよ。」
が言っているのを気にもせずにうまうまとすでにおかずを、ごはんを口に運ぶ友人。
それにつられるようにもふもふともご飯を食べる。
今日の卵はきれいに焼けた。
ちょっと嬉しく思いながら卵焼きを口に運んでいると目の前の友人がそういえば、と口を開く。
「、仁王と仲いいね。」
突然のそれに思わずむせた。
ごほごほと席をするにお茶を差し出しながら友人は言葉を続ける。
「始めあんなに苦手だったのに。」
「仲、よくなんかあらへんよ。」
けほけほと、まだ何か詰まったように感じるのをお茶で流し込み答える。
「そう?仁王ってと放してる時すごく楽しそうだけど。」
そう言われて思い浮かべる仁王の姿。
だが、残念ながら普段からあまりよく見ていない人物だ。
自分以外と自分への反応が違うのかどうか、そんなの知らない。
「気のせいちゃう?」
ようやっと落ち着いたことにほっとしながら再びお弁当に向き直る。
「かわいそうに、仁王。」
友人の小さなつぶやきは耳に入らなかった。
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