ドリーム小説




じゅうよん
























佐助、兄さんだ



その姿を見た瞬間胸にあふれたのはなんだったのか


歓気でもあり

嫉妬でもあり

恐怖でもあり

期待でもあり



いろんな感情がごっちゃになって、ぶあり、再び意味もなく涙が溢れそうになる。

あうあうと、話せずに口をパクパクとさせていれば、無表情で近づいてきた佐助兄さんが私に手を伸ばして。


しばかれるかと思って、思わず目をぎゅっと閉じれば。


ふわり


浮遊感、後、温もり。


びっくりして開けた目の先。

見えたのは橙色の柔らかな髪。


それがなんだか認識する前に、耳元でささやかれる低い声。



「小太郎。この子に何してんのさ。」


ぞくりと背中を駆けあがる、何か。


耳の奥深くまで浸透するそれは、ずっと望んでいた声で。


声をあげたかったけれど、強く強く抱きしめられているせいか、動けなくて。

というか、抱きしめられているという事実についていけなくて。


怒ってたんじゃないの?

私のこと嫌いじゃないの?


言いたいこと、聞きたいことはたくさんあるけど、



それよりも何よりも、ぞのぬくもりが気持ちよくて。



そおっと、気づかれないように服の端を握る。

そこにいるんだと確かめるみたいに。


嬉しくて、嬉しくて、こんなわけのわからない状態だというのに、笑いたくなって。

でも、


「この子は、は俺のなんだよね。手、ださないでよ。」




その言葉に全てがぶっ飛んだ。








どれが本当のしんじつですか













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