ドリーム小説




じゅうご
















無防備に小太郎に抱きつくこの子が許せない。

そしてそれをわかっていながら彼女を離さない小太郎にもいらつく。



近づいていく俺に、小太郎は何も言わず。

彼女は俺が近づくごとに、視線をさまよわせて。


手を伸ばせば、なにを思ったか、ぎゅうと目を必死に閉じて。



ああ、もう



ぐい、と引っ張って。

小太郎の拘束から外す。

そうして次いで俺の腕の中に。


ずっと望んでいたその小さな体。


愛しくて愛しくて、たまらなくなって、抱きしめる。




「小太郎。この子に何してんのさ。」




言葉をはっせればびくり、腕の中の彼女が震える。

ああ、君に起こったんじゃないから、怯えないでよ。

ぎゅう、とさらに強く抱きしめる。


と、さりげなく、控え目に服の袖が掴まれる感覚。



うわあ、なにこれ、可愛い、まじでかわいい!


にやける表情をそのままにしていれば呆れたような視線。

みれば小太郎が渇いた目で俺を見ていて。


ちょ、見んなよ、こんな可愛い子。

小太郎になんかあげないよ。




「この子は、は俺のなんだよね。手、ださないでよ。」



そう告げた瞬間。

腕の中の彼女がばっと、驚いたように顔をあげて。


その顔は真っ赤。

ありえないほど。

赤くて赤くて。


でも、食べちゃいたいほど可愛くて。


ぱくぱくと口を動かせど言葉は出てこない。

ああもう本当に可愛い

目の前の彼女に夢中になっていれば



どかり、頭に衝撃。


痛みに涙目になりながら振り向けば小太郎がいて。



「次、泣かせるようなことがあったら本当にもらうから。」


小さな声で、でもしっかりと宣戦布告された。



そのまま去っていく小太郎。


腕の中の彼女にはそんな声も聞こえなかったみたいで。


うわ、とかうえ、とかよくわからない奇声を発する口。


ご丁寧に小太郎がドアまで閉めて行ってくれるものだから。



理性が聞かなくなって。






「っ、」


がぶり

その愛らしく可愛らしい赤い唇を奪うようにかぶりつけば、驚いて体を震わせて。

開いていた瞳は必死に俺に答えるようにつぶられて。

震える睫毛が、愛しくて。


呼吸さえも吸いつくすように、ただただ、その甘い唇を堪能する。


「ん、っ」


俺の理性をさらに奪うように声を上げるから、どうしようもないくらい俺の感情は高まって。


「っ、はっ、さ、すけ・にいさ」


苦しげに身じろぎしたからようやっと唇を話せば赤く高揚した顔。

そっと開かれた口からもれだす俺の名。


でも、


「佐助、って呼んでって言ったよね。」

「っ」

いうことを聞いてくれない口を再びふさいだ。






甘いきみをしょくす










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