ドリーム小説

























私と佐助兄さんは三つ違いだ。


私が小学校に上がった時、佐助兄さんは四年生だった。

中学に上がった時はもう高校生だった。


佐助兄さんが選んだ高校は大学付属の高校。

話を聞けばそのままエスカレーターで上がるらしい。


まあ、なぜそんな話をしたかというと、答えは至極簡単である。


私が佐助兄さんと同じところに通いたかったから。



中学三年になった時、もちろん佐助兄さんは高校三年生で。

本当なら切羽詰まっているであろうその時に兄さんはすでに推薦でそのまま上がるのが決定していて。


「佐助兄さんの通っているところに興味がある。」

いつもの通り私の晩御飯の準備をしてくれている佐助兄さんに勇気を出して話した。

「なら俺様が勉強教えようか?」

右手にしゃもじ、左手にお茶碗を持ったまま。

ふわり、柔らかく浮かんだ笑み。


ぎゅう、って心臓がつぶされるみたいになる。

あったかくて

嬉しくて


だけど、届かない距離が悲しくて。


「お願いします。」


ふにゃり泣きそうになりながら、私はぺこりと頭を下げた。











すこしでも あなたの背中をおいたくて
























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