ドリーム小説




よん
















ふわりふわり

温かな日差しは私の思考をどこか遠くへと飛ばす


高校に入って、生活が少し変わった。

今までは学校が終われば友人との約束がなければすぐに家に帰っていた。

晩御飯を佐助兄さんが作りに来てくれたからだ。

でも、今佐助兄さんは大学が忙しいらしく、ほとんど来てくれなくなった。

同じ敷地内にいるのだから、会いに行けばいいのかもしれない。

けれども、それができるほど私は行動力を持っているわけでもなくて。


流れる国語教師の声が、まるで睡眠誘導剤みたいに耳に沁みていく。

うとりうとり、微かにくっつきそうになるまぶたに、鮮やかな色が移りこむ。

(・・・あ、)

遠くであろうとすぐに見つけられる、

鮮やかな髪は、太陽の光を反射してよりいっそう輝く。

笑う無邪気な表情は、私にはあまり見せない表情。


ぎゅう、とまた胸が痛い。


好きで好きで、好きすぎて。


この想いを伝えないと、いつか爆発する気がする。


でも近づけない。

この距離が、関係が消えてしまうのが嫌で。


少しでもあっていないと、泣きたくなる。

こんなにも好きなのに、気づいてくれないあなたが嫌い。


・・・嘘。

好きすぎて、嫌いすぎて、大好きで。


そっと視線を外して、ぎゅう、と机の上に縮こまる。


入学祝いにってプレゼントしてくれたシルバーのブレスレットがきらり、一度だけ光を反射させた。













すきすぎてすきすぎて いっそのこと嫌いになってしまえたら



























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