ドリーム小説







配達ギルドのあれこれ 











レイヴンさんとの二人旅、とか、いったい誰が想像しただろうか。
かすかな緊張感をはらむ私とは裏腹に、レイヴンさんはどこか楽しそうで。
私がもつ携帯結界魔導器は、二人くらいならカバーしてくれる。
そのため魔物がおそってくることはほとんどなく。
時折ふらりと現れる魔物には、レイヴンさんがあっさりと倒してくれて。

__こんなこと思いたくはないけれど、一人旅に比べて、非常に快適だ。

なにより、この人の作る料理はとてつもなくおいしいのだ。
いつも携帯食料ですましているといったら、ちゃんと食べなきゃだめよ、とびっくりするほどおいしいご飯を作ってくれた。
材料もそんなにないというのに。

おいしいおいしいともぐもぐと食事をする私に、へらりとレイヴンさんは笑う。

「お嬢って、戦えないのによく旅ができるねぇ」

そう、私は結界の外を動き回ってはいるが、戦えるわけではない。
ただ携帯結界魔導器の力に頼っているだけで、私自身には何の力もない。
それでも、旅にでるのは__

「__捜し物をしているんですよねぇ。ずっと、ずっと長い間。見つからない物を」

ぽろっ、と、私が旅をしている理由が口からこぼれ落ちた。
おや、言うつもりなんてなかったのに。

「捜し物?」

不思議そうなレイヴンの声に、今度はこちらが笑う番。
どうやらこの人の雰囲気に飲まれたらしい。
言葉がぽろぽろと口から出て行く。

「どこにあるかもわからない。どんな形かも、どんな答えかもわからない。それでも、もし存在するとしたら、きっと私にしか見つけ出せない物を」

こてん、と首を傾けて私の発言の答えを探すように、レイヴンさんは視線を遠くへと向ける。

「__見つかるといいねぇ」

ひとしきり思考を巡らせたのか、レイヴンさんはもう一度こちらをみて、にっこりと心から思っている、とばかりの笑顔でそういった。











配達ギルドと捜し物















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