ドリーム小説
配達ギルドのあれこれ
「お、発見〜」
珍しい道を通るなぁ、って思っていたんだよね、確かに。
もっとスピードを上げてまともな道を通れば、今頃はもう港についているはずの時間。
ちょっとばかし寄り道させて、そういったレイヴンさんに頷いたのも私で。
そんな彼が何かを見つけて楽しそうに笑うと、私が追いつくのを待つことなく、がさがさと草むらを進んでいった。
何を見つけたのかとのぞき込んだ先、そこにあったのは、黒髪桃色、以下省略。
まさか寄り道って__黒髪御一行と合流することか・・・・・・
「そうそう、おっさんにもわかるように説明してほしいわ」
あまりにも自然に会話に入っていったレイヴンさん。
びっくりしたように飛び退く子供に、言葉を荒げるモルディオさん。
やんややんやと弾んでいく会話。
__帰っていいかなぁ・・・・・・
私はレイヴンさんと一緒に行動することは認めたけれど、彼らと一緒に動きたい訳じゃないんだよねぇ。
どうしようかな、と草の影で身を潜めていれば、わふ、っと耳元で何かの鳴き声。
そちらを見れば、蒼色。
くわえられた煙管に、片目には傷。
こちらを見て、再度その犬は小さく鳴いた。
「ラピード、どうした?」
がさり、犬を追って現れたのは黒髪。
ひょこりとのぞき込んだ先に犬だけでなく、私がいたことに驚いたようで。
目をまん丸に見開く。
一度、二度、瞬いたあと、かすかに笑って目の前にしゃがみ込んできた。
「よしよし、いい子だな」
彼の手が、私にのばされて、ぐしゃぐしゃとまるで犬にするかのように全力で撫で始めやがった。
ぐわんぐわんと頭をかき回されて、気持ち悪くなっていれば、
「ちょっとあんた何してんの」
モルディオさんの声。
助けて、目が、回る。
「あ、配達ギルド」
「ま、毎度、おおきに、配達ギルド、黒猫の足〜」
「その口上聞き飽きたっていったでしょ」
モルディオさんひどい、でも今回は助かった。
「だめよ、ユーリ。女の子は丁寧に扱ってあげなきゃ」
涼やかな声と同時に暑苦しい手のひらは消えて、代わりにいい匂いと弾力のある感触。
「大丈夫です??」
心配でたまらない、そんな声も聞こえてきて、ゆっくりと目を開けた、ら、
「ここは天国かな?」
ナイスバディなきれいなお姉さまに抱きしめられて、桃色のかわいい女の子にのぞき込まれるっていう男がうらやむシチュエーションだった。
配達ギルドと寄り道の結果
back
next
戻る