ドリーム小説
ごめんなさい
早く口に出したいその言葉は、相手がいなければ告げることすらできなくて。
言葉は時に意味をなさず
そろそろこちらとしてもどうすればいいのかわからない。
毎日友人の家に泊まっているらしいその人。
帰ってきてくれなければ話しをすることもできない。
お弁当を作って学校に持って行って。
渡そうと教室に行くが残念ながら毎回毎回彼はいない。
行く時間を変えているにもかかわらずだ。
代わりに久々知がそれを受け取ってくれて、前の日のお弁当箱を渡してくれる。
なんというかおかしいだろうがばか。
彼氏でもないのに毎回毎回御飯を作って持って行って。
謝らなきゃと言うその考えはどんどんいらだちに変化していって。
お弁当の中身は「お父さん」に聞いた彼の嫌いなものをたくさん詰めて。
だというのに見事に何の反応もないし。
そんな日々が一週間ほど過ぎたある日。
「、あのねお母さんたち新婚旅行に行ってくるわね」
そんな状態で両親にそんな言葉を言われた自分はどうしたらいいのか。
「ということはあれか。今日からしばらく尾浜先輩と二人と言うことか?」
「けどあの人あの日以来帰ってきたことないよ。」
本日もお弁当を届け終えて、滝と綾部と共にお昼を食べる。
滝に親が新婚旅行に出発したということを話せば滝にそう返されて。
一応間違ってはいないがあの日から家に帰ってきたことのない彼なので何を思うわけでもなく。
「別に今までと同じように一人でしばらく過ごすだけだから。」
再婚するまで、母がいないときはずっと一人だった。
だから一人であることに関してなんら問題はなんてない。
ただ、家が広くなっただけで。
今までと何も、変わりなんて、ない。
back/
next
戻る