ドリーム小説

























「どうしてこうなった。」

ざわめきが広がっていく教室。

目の前でぽかんと口を開けた幼なじみ。

無表情でおかずを口に運ぶ友人。

入り口にたつ満面の笑みの先輩。


にいえるのはその言葉だけだった。







四、お昼連行事件









「どうせなら一緒にお弁当食べようかと思って。」

何一つやましいことはない。

全力の笑みはそう語っている。

教室に突如現れた兄(になったらしい)存在は、満面の笑みそのままでの手を引いて教室を飛び出して。

そのままあれよあれよと連れ出されたのはには縁がないはずの高等部第二学年の空き教室。

がらりと開かれた先にいたのは四人の人物。

それは兄となった尾浜勘右衛門と行動をともにするいわゆる学校の人気者という奴で。


「勘ちゃん遅い。」

きれいな黒髪をさらりとなびかせて、それはそれはきれいな顔をした人は呟く。

長いまつげが印象的で、服装次第でがらりと雰囲気は変わるだろう。



「ん?勘右衛門。誰か一緒にいるのか?」

銀色の髪がまぶしい。だがそれよりもその頭の爆発具合にはある意味拍手を送りたくなる。

それでもにかりと笑うそれはとてもとても暖かいもので。



「その子が勘右衛門が言ってた妹?」

ふわふわと太陽の光をそのまま凝縮したような薄いオレンジ色。

その髪と同じように笑うのは柔らかくて、こちらの感情を優しく落ち着かせてくれる。



「ま、とりあえず入れよ。」

先ほどの人物ととてもよく似たその人は、それでも先ほどの人よりもつり上がった目でこちらをみていて。

じい、と向けられる視線にどことなく居心地が悪くなる。



「妹の。かわいいからっていじめちゃだめだよ?」

それはそれは楽しそうに兄となった人は笑う。


だがまて。

誰がいつ了承した?

一緒に食べることを承諾などしていない。

しかしながらこの雰囲気はそれが絶対のことのようで。

ちゃん、ってよんでもいい??」

ふわふわと笑う人がの名前を柔らかく呼んだ。

それに思わずうなずけばその笑顔はさらに深まって。


「僕は不破雷蔵。勘右衛門の友達だよ。」

笑顔のまま差し出された手。

その手と不破雷蔵の顔を何度か見直して。

そしてそうっと手を伸ばす。

が。


「俺は鉢屋三郎。」

の手は違う人物によって捕まれて。

さらに言えば不破雷蔵の後ろから伸びてきた手に、だ。

そっくりな顔立ちをしているのに、まとう雰囲気はまったく違って。

にやりと口の端をあげて笑うそれは、なんだかひどく似合っている。


「ええと、よろしくお願いします・・・。」


握られたままの手をそのままに頭を下げればなんだか満足そうに笑い返された。


「俺は竹谷八左ヱ門!よろしくな!」

にかりと笑うそれは本当にまぶしくて。

突然の名前呼びだろうとこちらを不快にさせることはなく。

頬についているご飯粒が子供っぽさを演出している(たぶん不本意だろうが。)



「久々知兵助。」

凜とした声色。

瞬かせたまつげはながく、向けられる視線は鋭く。

その手にもつ豆乳の紙パックがえらく不釣り合いだ。


、です。よろしくお願いします・・・?」


納得がいかないながらも挨拶されたのだからと返答して。

自分の名字を名乗らなかったのはせめてもの抵抗。

一応学生時代はこの名字のままでもいいと母が言ってくれたので、この学校にいる間は今まで道理の名字を名乗る。

それは一応この人も了承してるはず。







、お昼食べよう。」







ちょっとだけ残念そうな顔をしたのはしらない。

見てなんか、いないから。


















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