ドリーム小説
宵闇 拾漆
この世界は俺に優しくはないと知っていたのに。
期待、してしまうんだ
万が一にもない可能性を
「・・・・・・。」
「ええと、なんていうかねえ〜・・・」
「・・・お前それはちょっと・・・」
皆が何とか良い言い方を(フォロー)する言葉を探しているにもかかわらず、たった一人喜八郎は何のためらいも無く言い放った。
「、本当に化粧下手だね。」
実習授業の一環。
4年合同女装学習。
そこでを含むいつもの面子は自らの顔を鏡に映していた。
そして各々終わった道具を片して、向き直った瞬間冒頭のような反応が見られたのだ。
「・・・それ以上言うな・・・自分で解ってんだから・・・。」
男であるはずの滝夜叉丸に三木エ門、喜八郎にまだ忍の卵となって日の浅いはずのタカ丸さえ、
とても綺麗に化けていた。
普通に道を歩いていれば十人中九人は振り返るであろう美人集団。
それはもう、が自信をなくすのは当然のこと。
思わず遠くを見る。
(あれ?俺、女じゃなかったっけ・・・?)
涙がちょちょぎれそうになる。
もともと化粧などは得意ではない。
元の世界にいたときもほとんどしなかった。
そのうえ、この世界では常に男の格好をしていた。
(もう仕方なくね?)
がそう思うのも間違いではないだろう。
採点の際、授業の担当の先生になんとも言えない顔をされた。
「。」
「・・・何、喜八郎・・・。」
「行くよ。」
「は?どこにだ?」
授業後先程のダメージから回復しないの腕を喜八郎が引っ張る。
「ちょ、っ喜八、どこ行くんだよ?!」
「うん。」
「答えになってねえ!!」
わけが解っていないを気にも留めず喜八郎はずんずんと廊下を進む。
「・・・ここって・・・。」
そうしてたどり着いたのは
「うんそう。作法室。」
喜八郎が所属している委員会の委員会室であった。
「何で此処につれてきたんだ?」
「失礼します。」
「また無視・・・」
何の躊躇もなくすぱんと襖を開け放つ。
そこにいたのは
「立花先輩。」
「来たか、喜八郎。」
学園サラストNO,1。
冷静沈着。
焙烙火屋。
それらの言葉が示すのは立花仙蔵、その人であった。
「よろしくお願いします。」
「ああ、任せておけ。」
「え、は?ちょ、どういうことですか?」
無言の喜八郎によって仙蔵の前に座らせられる。
そこにはにこり、とても美しく笑うその人がいて。
「ひさしいな。」
「ええと、はい、そうですね・・・。」
「喜八郎から聞いたのだが・・・」
「・・・何をですか?」
よぎるのは嫌な予感ばかり。
「はとても化けるのが苦手だと、な。
私が教えてやろう 」
その笑みは一瞬で愉しげなものに変化した。
※※※ ごめんなさい。
かきたかったんです。
これとこの次の話。
せんさますきだ。
あやもすき。
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