ドリーム小説






宵闇 喜八郎10












正門について、中に入って一番にのところにかけて行こうと思ったのに。


なんであなたがいるんですか?

彰義さん

しかも満面の笑みで。


でも、まあ、いい。

ここでこの人に認めてもらわなければ私はのところへはいけないのだから


「彰義さん」

「何だい?喜八郎君。」

「私と一手お願いします。」






きん

とはじくくない。


私は鋤子を手に挑む。

彰義さんはくない一本。

つまり今投げたものしかないということで。


思い切り踏み込みふところにはいりこむ、

が、それは簡単に避けられて。



強い


わかってはいたけれど、


その言葉に尽きる。


しかも、その一つ一つの動きが綺麗で、に似通ったものを感じてどきりとする。



「隙。」


つぶやいたと同時に思ってもみなかった方向からの攻撃。


思わず体勢を崩す。


でも、攻め切られる前に体制を元に戻し飛びのいた。

「なかなかやるね、喜八郎君。」


「見た目に反して力が強い。」

蛸壷を掘ってるだけあるね。

訂正に分析されているのにいらりとするが冷静を見失うわけにはいかなくて。


「彰義さん。」

「私はが好きなんです。」

「だから、あなたの許可が必要だ。」


飛びのいて、近寄って、振り下ろして逃げられて


繰り返す交戦の中告げた言葉、

届いているのだろう彰義はふわり笑ったまま。


とん、と軽い衝撃の後気がつけば目の前にくない。

ガス、と後ろで鋤子が地面につきささる音。


はあげない。」

ふわふわ笑って告げられる言葉達。

「まだ、ね」

楽しげに愉快気に

「もっと強くなったら認めてあげるよ。」


その言葉と同時に飛んできたくない。

それが彰義さんの持っていたくないをはじいた。





「喜八郎っ!」




その声は今日一日ずっと呼びたかった人。

ずっと会いたかった人のもの。














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