ドリーム小説
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宵闇 三郎7
微かな失敗はあの子のせいだとは言いたくない
自分の力不足だ
あの子から、鈍感な子だというのにあんな言葉が飛び出すとは思わなかった。
お願いだから大人にならないで
お願いだから女の人にならないで
今はまだ可愛い後輩でいて
ほしかったのに
いつもいつもいつも
それは本当の私ではないのに
君がそれを望む。
じゃあ教えろよ
いつもの私とは何か
いつもの私とはだれか
そう思い怒りの中問い詰めれば思いもかけぬ言葉。
聞きたかったけど聞きたくなかった言葉
一度意識してしまえばもう駄目だから、
自分から離れることなどできそうにないからわざと引っぺがした。
それがあの子の心を大きく気づつけるとわかっていたけれど
この私を好きになるのが悪いのだ
いつも共にいる紫や一つ下の黄緑にしておけばいいのになぜ私なんかを選んだのか。
一つため息。
任務を終えて、そして城から出る際に兵に見つかってしまい傷を負った。
まくことに成功はしたけれど、傷口から赤は止まるることなく流れる。
何か毒が塗ってあったのだろう。
出発する前のあの言葉に揺らされて揺らされて
こんな自分が情けない。
あの子を傷つけることでしか話せなかった自分が大嫌いだ。
追手を撒くために顔を変化させようとして、気づいた。
誰になればいい?
まとまらない考え
思いつかない顔。
懐から出した狐面が私をあざ笑うかのように月の光に反射した
本当は気づいてる。
自分の中のこの感情。
自分はあの子を必要としている欲している。
でもだめだ。
これからの自分を思えばあの子を傍に置くのは無理だ。
だから、気づかないふりを
知らないふりをしようとしてたのに
再び戻れた学園。
もうろうとした意識の中
走り寄ってくる雷蔵と善法寺先輩の姿
そして小さなのぞき穴から見えた月を最後に意識はぷつりと途切れた。
ごめん
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