ドリーム小説
宵闇 弐ノ弐拾肆
「数馬!」
響いた声。
数馬先輩へと振り下ろされる刃を防いだのは同じ黄緑。
数馬先輩よりも高い背が、力強くそこにいた。
「おや、まあ。まったく・・・この場所はとても、やりにくいねえ。」
次屋先輩がそう言った紅い男に体術で挑む。
それをひらりひらり本当に舞うようによける。
それは綺麗というよりも、どことなくおそろしくて。
「さっさと、殺してしまえば、よかったのにねえ」
男がもらした言葉に背中がぞくりと冷えた。
男は腰に差していただけだった刀に手をかけた。
その瞬間、目にも見えぬ速さで、それは抜かれ
気づけば、次屋先輩の黄緑の装束が紅く紅く染められていくところだった。
何かしなきゃと思うのに、体がどうしても動かなかった。
「せんぱいっ!!」
「三之助!?」
数馬先輩が倒れた次屋先輩を抱きとめて名を呼べば、ふらりまた次屋先輩は立ち上がって男に向き合う。
「三之助!さがって!そんな体じゃ無理だ!」
その声に耳も貸さず、次屋先輩の目は男を見据える
「ふふふ、おもしろいねえ。まだ、やるんだ?」
つぶやいた男が今度こそ、消えた
「か、はっ・・・」
気づいた時にはゆっくりと倒れ行く先輩の姿。
それは本当に一瞬で
声に出せないほどに、驚いて
ただただ倒れるのを見てるしかなくて
手を出すことなんかできなくて
だれか、たすけて
「三之助ええええええ!!!!!」
その声と同時に一閃銀の光が目の前を走った
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