ドリーム小説
宵闇 弐ノ弐拾睦
激しい胸騒ぎがどんどん強くなっていくものだから、早く早くと体をせかした。
大切なはずの実習なのはわかっていたのに。
それすら手につかなくなるような焦りに必死でそれを終わらせた。
なんとか無事に終わったそれに、焦る体を必死でなだめる。
見届け役として来ていた教師の一人に是の判定をもらい、いつもと同じ組んでいた六人そろって学園へと向かった。
教師はまだ、試験を受けている他の者たちの結果を見届けなければいけないから動かない。
本当ならばまっていなければいけなかったのだがそれどころではなくて
俺たちの組を見学していた五人の後輩と共に学園への道を急いだ。
皆、声はなく、一歩踏み出すごとに早くなる足。
その途中、感じた気配。
それはとてもとてもよく知っているもの
ただただ焦りよりもなによりも心のどこかでやっぱりと思った
無防備なその首元に刃をあてれば微かにこわばったからだ。
でも瞬時に行動に移すのが感じ取れたから、それをのけてやる
振り向いた滝夜叉丸の泣きそうな顔に、必死な様子に
抱きついてきたその体を一度強く抱きしめて落ち着くように促す。
「一人でここまで来たの?」
「私と三木エ門と二人ですっ、三木、が学園の近くで追手と、」
それに文次郎が、微かに体を動かした。
「三木エ門に関しては俺が行く。」
ゆらり、その体から抑えきれぬ殺気を飛ばしながら文次郎が言う。
「私もついていこう。」
仙蔵の言葉にちらりと目線をやって文次郎と二人姿を消した。
「不破、竹谷、先生方へ報告に走ってくれ」
その言葉に一瞬何か言いたそうにした二人だが、それを飲み込み目を伏せて頷くとその場から消えた。
「学園に戻ろう。」
残った皆に目を向けて、頷きあった。
はやくはやく体をせかして
からだよもっと早く動くだろう
あの場所にはまだ戦えぬものたちが多くいるんだ
あの場所には大事なものがたくさんあるんだ
あの場所を壊させるわけにはいかないんだ
はやく
あの場所に
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