ドリーム小説
宵闇 弐ノ参拾肆
腹の底から生まれるは嘲笑。
体中に走る裂傷など気にもかからない。
ただ ただ
こんなにも自分の体が自由になることが嬉しくて楽しくて。
小松田さんも
タカ丸さんも
そして三之助も
あなたが傷つけた。
ならば俺が同じだけの痛みを返すよ
「ははっ、紅さん、動きとても遅く見えるよ」
紅がはなつくないを手で受け止める。
はじめにそれを手に入れてからはそれで応戦して。
くるくる入れ替わる位置。
近寄っては距離をとって距離を取っては近寄って。
増える傷は紅も同じ。
見えるのは目の前の紅い男だけ
思うのは憎しみ、そして悦び
きずつけたばつをそのみをもってしりなさい
こみ上げる笑いがどんどん大きくなって。
さっきまで目の端に見えてた庵すら見えなくなって。
頭の中がどんどんどんどん赤に黒に浸食されていく。
さあ、傷つけろ傷つけろ
目の前のものを。
目の前のものが倒れれば次は、周りのものを
この場所に手を出したものに制裁を
黒く黒く
紅く紅く
自分がゆっくりと自分からはがれていく。
まるで戦う自分を空から見ているような錯覚に陥る。
武器を手に持つ
きりさくのは装束そして肉体
さあ、戦え戦え
この身が亡び朽ちるまで
さあ、挑め挑め
この地が砕け散るまで
あれ?
どうして俺は戦うんだっけ?
なんで俺は戦ってるんだっけ?
う〜ん
わかんなくなってきた
ならば、ならば
全てが亡くなるまで破壊し続けようではないか
さあ、傷つけよ
さあ、その刃を振りおろせ
さあ、まずは目の前の紅いその男を___
「「「っ!」」」
よばれたなまえ
ふれられたたいおん
ひかりがあざやかにみちていく
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