ドリーム小説








宵闇 弐ノ参拾睦























「きはち、ろ・・・?さぶろ、せんぱい・・・?かんちゃ、せんぱい・・・?」



の声が聞こえてきて、自分の名前が呼ばれて、ひどく安堵した。

怖かったのだ先ほどまでの

恐ろしかったのだあのような目をする



そう、まるで戦場で命のやり取りをする忍びのようで




だから、元に戻ってくれて本当に安心したんだ。


「あれれ?せえっかく、強くなったのにあの子。また元に戻っちゃったや。」

目の前の紅の男は仕方がなさそうにつまらなさそうに

顔にはにやにやとした笑いを貼り付けて話す。

先ほどによって様々な傷がつけられたはずだが、そんなこと歯牙にもかけずに。

動きだって先ほどまでと全く変わらない。




改めて、がこの男と対峙していたことに恐怖を感じた。





「うふふふ、よそ見してる暇なんか、ないよ」


ぶわり背中に湧き上がる嫌悪感

体中に退避を命令する私の中の本能。



従いたくとも、この場所から動くことなどかんがえられなくて。



「っ、」

勘右衛門の息をのむ音。

同じように恐怖を感じているのだろう。



先ほどまでと形勢逆転。

ふわりふわり

笑う男はさらりと多くの技を使って




「無謀と勇気、はき違えたらもうおしまいだよぅ?」



にやあり


本当に楽しそうに嬉しそうに、刃を私たちに___



「っ!」


「鉢屋!」

「尾浜!」


こわばった体のまま、その男の技を受け止めようと構えた瞬間、私たちの前に現れた二人の最上級生。





いつもは好敵手ともいえる彼らの登場に、

今までの中で一番感謝した。











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