ドリーム小説
記憶を辿って118 今日を切り捨てた
生まれた時にはもうすでに言葉を知っていた
生まれて三年たったころにはこの世界の不条理を理解していた
小学校に上がるころには、この手で人の命を奪う方法がわかっていた
それは僕の記憶によるものだ。
僕が以前生きていた時の記憶かもしれないそれら。
けれども、今の僕とは全く関係のないそれら。
こんなもの、いらなかったというのに。
小さなときさんざん苦しめられたその記憶ではあったが、今はもう自分には全く関係のないものとして処理している。
僕は持ち前のこの頭の良さなどから他の人に受け入れられることがなかった。
天才?
神の子?
そんなのはまだいい方だ。
子供じゃない
化け物だ
そんな言葉、聞きあきた。
何一つ楽しくない。
何をしてても何も感じない。
生きることすら億劫で、かと言って自ら命を落とそうと思うほど阿呆でもない。
つまりのところ、生きている理由しか見つからない今、全てのことが面倒。
中学に入ってからもそれは全く変わらなくて。
勉強についていくの何か簡単。
それに答えるだけで教師からの眼もよくなるのだ、煩わしいことは一つでも少ない方がいい。
尋ねられたことに笑って答えれば皆、僕のことをおかしな眼で見ることはない。
学級委員長に推薦されたのだって、面倒ではあるが後々有利になるのだ。
そんな、つまらない、毎日。
「ちょ、それ俺のだから!」
「いいじゃん、けち〜!」
「いやいや、きり丸、それはちょっと・・・」
きり丸、金吾、団蔵。
不意に教室内で耳に入った名前。
入学当時から知ってるその名前。
でも知ってる名前は、ただ知ってるだけ。
自分が持つ記憶と合致しようが、それはもう過去のこと。
今の僕には関係ない。
そうして僕はまた、今日をきりすてた。
※※※※※
は組の最大の難関庄左登場
難産だった・・・
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