ドリーム小説
記憶を辿って134 眩しいから、視界がにじむんだ
「・・・あれ?三郎次先輩何してるんですか?」
開いた扉。
そこからのぞいた青い空。
あっけなくもらされた言葉は誰のものか。
それを考えることすらもう億劫で。
ぶつけた額をおさえながらみたさきにはきょとり僕を見下ろす小さな影。
そしてそれの頬をふにふにとつまみ続ける黒髪の謎の人物。
さらにはその後ろにはその黒髪を触る金髪。
意味がわからない
はずだったのに。
「三郎次。」
先ほどまでふにふにと触っていた黒髪が僕を見てその端正な顔をふ、と緩ませた。
そして
「っ!?」
ふわり、温かな温もりが体を包む。
ぎゅうぎゅうと痛いと感じる少し手前。
そんな力加減で抱きしめられてしまえば、引き離すこともできなくて。
「久しぶりだねえ、三郎次君。」
ほわりほわり、能天気そうな笑みが黒髪の後ろからのぞく。
金色が光に反射して、目に痛い。
じわり、それだけじゃない感情が溢れるみたいに、ぼろり、心が零れるみたいに。
玄関から顔を出して、ふわり笑う四郎兵衛が左近が久作が、乱太郎たちが見えて。
今まで意味がわからなかった自分自身が理解できない。
なんで、忘れてしまえていたのか。
僕の名前を呼んでくれる
あの頃と変わらない声色で
僕のことを認めてくれる
あの頃と同じまなざしで
ふわふわふわり
溢れる思いは記憶と同じように際限なく
痛いくらいに多いそれらの感情は、苦しいのに嬉しくて
ごめん、意味がわらからないなんて怒鳴って。
ごめん、名前を呼ばれた時の安心をたった今理解した。
ふわふわ
こちらを温かくする笑みを浮かべる四郎兵衛
苦笑しながらもほっとした表情の久作
怒ったようにでも優しいまなざしの左近
楽しそうに笑っている伊助に
僕を抱きしめて話そうとしない兵助先輩
その後ろから眩しいまでの金色を瞬かせるタカ丸先輩。
ごめん、またせて、本当にごめん
それから、あの世界じゃないこの場所で再び会えたことが、嬉しくてたまらない。
※※※※※
久作>左近>三郎次>四郎兵衛
私の中での二年生のポジション。
一番頼りになるよ久作。
みんな四郎兵衛が可愛い。
でもいざというときは四郎兵衛が皆を守るよ!・・・みたいな感じ?
三郎次は周りの外堀からじわじわ埋めていきたかった。
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