ドリーム小説
記憶を辿って24 ひどいひどい大好きな君
ひどいひどいひどい
ひどいよ、滝。
私のことを忘れてしまうなんて。
あの時と同じように自信満々で傲慢で、自慢したがりで、負けず嫌いで、
あの時と同じように笑うのに
それで、私を覚えていないなんて。
ひどいひどいひどい
じくじく痛むこの胸を、どうやって直したらいいの?
ひどいひどいひどい
湧き上がってくる怒りを、何にぶつけたらいいの?
ひどいひどいひどい
この心の開いた空間は、誰が埋めてくれるの?
ひどいよ、滝。
それならばいっそのこと私を知らないなら知らないままで、
そんな以前の面影など見せてほしくなかった。
ああ、もう、ひどいひどい
でも、でも、
嫌いじゃないから離れられない。
いつか、を期待してしまうから傍にいたい
それにきっと、離れたら、私は痛くて泣いてしまう。
だって、ね、私以上に私を理解してくれている滝が傍にいてくれないと、私は私でいられない。
だから、ねえ。
ねえ、滝。
早く私をあのときみたいに呼んで、怒って、笑って?
私はここにいるよ
ここにいるから
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