ドリーム小説
記憶を辿って3 この世界に神などいないと知ってはいるけれど
ぽろりぽろり
溢れるように頭の中に浮かんでは消える記憶たち。
それはを責め立てるように
幾度も記憶を呪った
幾度も記憶を怨んだ
なぜこのような悲しきものを見せるのかと
赤く紅く染まる手。
切り裂く皮膚の重み。
鈍く煌めく刃の色
相対する
かつての級友
それらは幼きころからずっとずっと
の中にあったもの
夢と称するにはあまりにも残酷で
現実とするにはあまりにも狂ってる
けれども、心のどこかでわかっていた。
これは記憶であると
かつての自分の歩んだ軌跡。
それが、いま、夢となって記憶としてを責め立てる。
この手が赤く染まろうと
自分が生きることに必死だった
たとえ、友と敵対しようと
主の命を叶えるがために
それが私の生きた過去
そんなひどい記憶の中で、
きらきらと輝いていた学園の子供たち。
だからこそ、だからこそ、
見つけた時は嬉しくて
見つけた時は泣きたくて
記憶の不在に衝撃を受けた
ああ、ああ、
名前を呼んだところでもう、君はわからないのでしょう?
ねえ、
「き、りまる、くん・・・」
呼んだ名前
驚きの顔
振り向いた君
鋭い瞳。
「、先輩・・・?」
衝撃が走った
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