ドリーム小説
記憶を辿って32 原因は、君
次屋がぼおっとしてるのはよくあることだったけど、それでも、どこかおかしいと感じて。
だって お前が記憶を持っていなくても お前らのことは記憶に染みついてしまっているから
「だれか、足りねえ気がすんだよ・・・」
放たれた言葉
それにどくりと血が逆流するような感覚に陥った。
あまりにも、さみしげに笑うから、
あまりにも、泣きそうに話すから。
思いそうになる
願いそうになる。
思い出してほしい などと。
迷いそうになる心を奥底に追いやって、
記憶を隠すように瞳を閉じる。
「と、いうかに会ってから、だな。」
いつから?
その問いの答えに、
静かな怒りがこみ上げた。
原因は君、か。
ねえ。
いらないことをしてくれるな
記憶がないなら、ない方がいい。
なぜ、彼らの平穏を揺さぶるというのだ。
あんなつらい記憶なんて、持つ必要などない
できるのならば、僕だって持たぬままでいたかった。
どうして、君は___
数馬の一件。
今まで動くことがなかった数馬。
数馬を動かしたのは?
それも君なんだろう?
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