ドリーム小説
記憶を辿って68 あたらしいせかい
ふんわりふんわり
好きなものは甘いもの
嫌いなものは僕を傷つけるもの
大切なのは家族
なくしたものは___
僕には生まれた時に、前世の記憶、とやらがあったらしい。
話すようになってから不思議なことを口走ることが多くあって、親を困惑させたらしい。
らしい、というのは覚えていないから。
でも、忘れてしまったのは少しさみしいなとも感じて。
もしかしたらそれは、忘れてはいけなかったものなのかもしれないし。
でも、忘れてしまったということは覚えていなくてもよかったものだったのかもしれない。
中学に入ってから僕の心は幾度となくノックされているようだ。
見知らぬはずの人に会うたびに、懐かしいという思いが溢れる。
聞いたはずのない名前を、この口は口走りそうになる。
困ったなあ、と思いながらも、その変化を楽しみにしている自分もいて。
どきどきして、わくわくしてた。
まるで新しい世界が開かれるような。
そしてそれは正解だった。
今も昔も、僕の心を時はなってくれるのは君だった。
今も昔も、僕のことをよく知っていてくれたのは君だった。
迷惑をいっぱいかけたけれど、これからもかけるだろうけども、
いまはもう、会えただけで嬉しいから
「うん、そうだよね、兵太夫、乱太郎。」
ほら、世界は開かれた
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