ドリーム小説
記憶を辿って77 幸せな笑顔
うろうろと誰かを探すように視線をさまよわせて、
そして落胆に瞳を伏せる。
この世界で再び彼に会って、気がついた彼のくせ。
でも、その理由もわかるから何も言えなくて。
なあ、乱太郎、しんべえ。
早くきり丸を見つけてやってくれよ。
僕たちじゃ、足りないんだ。
帰りがけ、ふらり再び視線を揺らしたきり丸の姿を見てそうねがう。
けれども、転機はすぐそこで。
ちゃりん
微かに耳に入った音。
振り向けばもう君の姿はどこにもなかった
慌てて団蔵と共に追いかけたきり丸の背中。
息を切らせてたどり着いたそこ、この世界で見た中で一番幸せそうに笑うきり丸がいた。
ふわり笑ってす乱太郎
しんべエはほにゃほにゃと嬉しそうで。
兵太夫は僕を、・・・否たぶん団蔵を見て楽しそうに笑ってる。。
思わず零れそうになる涙。
こらえては見たけれど、きっと彼らにはばればれだろう。
「兵ちゃん、それに団蔵に金吾もね。」
名前を呼ばれるということは改めて幸せなことなんだなと感じた。
※※※※
兵太夫が団蔵を見て笑ったのは、実験台をみつけた、って感じです。
団蔵と兵ちゃんは被害者と加害者みたいな関係が好き。
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